新規IPO審査で問われる経営者が関与する取引とは何か?

東証によるIPOの審査時で昨今クローズアップされることが多い項目として、経営者が関与する取引というものがあります。

このような人物による取引の場合、内部統制が適切に機能する確率は相対的に低くなりますし、不合理な取引となってしまう可能性があるからです。

経営者が関与する取引とは

これは文字通り、経営者、とりわけ創業者であり、株式をもっと保有しているようなオーナー兼社長のような人物が行なった取引のことを言います。

経営者が関与する取引が審査上厳しくなる理由

経営者が関与する取引(経営者が自ら営業して獲得した案件・企画した案件や例外的に経営者が決済を行っている案件等)については、それが存在すること自体が審査上直ちに問題となるわけではありませんが、一般的には社内からの牽制が効きにくく、不正に繋がる恐れがあります。

したがって、そうした取引に対して組織的に検討が行われ牽制機能が発揮されるような適切な体制が整備されているかどうか、また実際に行われた取引が不適切なものでないかどうかについて確認が必要となり、審査上もそのような視点で確認が行われることとなります。

 

東証ガイドブック上における経営者が関与する取引

東証の新規上場ガイドブックでは経営者が関与する取引の具体的な事例としては以下のようなものがあるとしています。

  • 経営者の個人的な伝手で取引相手を発掘・交渉し、取引開始に至ったケース
  • 経営者自らが特定の出店計画を発案して、当該出店が遂行されているケース
  • 与信設定手続きや契約締結に係る手続きにおいて、通常は事業部長等の決裁であるところ、例外的に経営者自ら決裁を行っているケース
  • 与信設定手続きや契約締結に係る手続きにおいて、決裁者である経営者にりん議が回る以前の段階で反対意見が出され、却下案件となるところ、例外的に経営者にりん議が回り、決裁されているケース
  • 通常は取引しない相手先ではあるが、経営者の関与があったために取引開始に至ったケース

終わりに

経営者が関与する取引の全てが問題だということではありません。

というか、スタートアップの場合は経営者が自ら営業を行うことは稀ではないでしょうし、むしろ一般的であるとも言えます。

問題となるのはそのような経営者が関与した取引に合理性がない場合であるということをここでは理解しておきましょう!