借入金の長短分類 一年内返済予定長期借入金

長期借入金のうち、翌1年に返済する部分は流動負債なのか固定負債なのか。

経理部門にいて、有価証券報告書の作成をしていると、たまにぶち当たる問題です。

問題というか、どっちかというと、別に借入金の流動固定分類なんてどうでもいいよ、早く資料作って帰りたい・・・。

なんて思っている方も多いかもしれませんね笑。

そんな方のために、本稿では長短部類に関する知っておくと便利な事項について簡単なメモを提供したいと思います。

借入金の長短分類とは?

決算書における資産と負債には、短期で決済される項目として流動資産、流動負債と呼ばれる区分と長期(一年超)で決済される固定資産、固定負債と呼ばれる区分があります。

借入金は長期で借りた場合でも翌1年に返済される金額が確定している場合は決算書では一年内返済予定の長期借入金として、流動負債の区分に計上されることになっています。

しかし、ここで問題があります。

翌1年の間に返済すること自体は確定しているもののその支払いの金額が確定しない場合です。

この場合に一年内返済予定の長期借入金として開示すべき金額をどうするのか問題があります。

弁済のスケジュールが約定されていないケースにおける長短分類はどうしたら良いのか問題

上記のような問題に対しては実はすでに解決策が講じられています。

「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」 の取扱いに関する留意事項について (財務諸表等規則ガイドライン)に記載されています。

ここでは関連する条文を抜粋してみます。

47-6 規則第47条第6号に規定するその他の負債に関しては、次の点に留意する。

1 設備の建設、固定資産又は有価証券の購入その他通常の取引以外の取引に基づいて発 生した手形債務及び未払金は、その他の負債に属するものとする。

2 預り有価証券(保護預りとして受け入れた有価証券又は担保物件として受け入れて保 管している有価証券のように、当該有価証券を直接営業の用に供しておらず、貸借対照表に計上することが適当でないと認められるものを除く。)及び借入有価証券は、その 他の負債に属するものとする。

3 返済期限が1年後に到来する債務(規則第47条第1号から第5号までに掲げる負債に属するものを除く。)で分割返済の定めがあるものについては、1年内の分割返済予定額を正確に算定しうるものであっても1年内の返済予定額が負債及び純資産の合計額 100分の5以下である場合には、その全額を固定負債として記載することができる。 なお、分割返済の定めがあっても、個々の分割返済の金額及び期日の定めがないため、 1年内の返済予定額を正確に算定できないものについては、その全額を固定負債として記載するものとする。

ただし、適当な方法によって1年内に返済が見込まれる額を算定し、その金額を流動負債として記載することができる。

ここで重要な上記で緑で強調した箇所です。

再度、引用します。

[box05 title=”長短部類に関する条文!”]

分割返済の定めがあっても、個々の分割返済の金額及び期日の定めがないため、 1年内の返済予定額を正確に算定できないものについては、その全額を固定負債として記載するものとする。

ただし、適当な方法によって1年内に返済が見込まれる額を算定し、その金額を流動負債として記載することができる。

[/box05]

まとめ

分割返済すること自体は決まっていたとしても、その金額が確定していない場合は長期から短期への振替をする際に金額をどうするのか問題がありますが、これは財規のガイドラインにすでに回答が記載されている、というのが本稿における知見でした。

つまりそれは、

金額が確定しないのであれば固定負債の区分に計上する。
けども、適当な方法で金額を見積もった上で、流動負債の区分として計上することもできる。

ということで、どっちでもいいというのが答えになります笑。

参考になりましたでしょうか。