テイクレートとは何か?

ネット系のECサイトを運営している企業にとって重要な指標にテイクレートがあります。

テイクレートの推移や他社比較することで、その企業の将来キャッシュフローの生成能力を把握することが可能となります。

本稿ではそんなとても大事な指標であるテイクレートについて解説いたします。

テイクレートとは?

テイクレートとはECサイトによって販売が成立した際に当該ECサイトを経営している企業の取り分の割合のことを言います。

ECサイトを経由して成立した取引の総額を取扱高やGMS(Gross Merchandize Sales)、GMV(Gross Merchandize Volume)と言います。

テイクレートとは、取扱高のうち、ECサイトを運営している企業がいくらお金をもらうことができるのかということがわかる指標になります。

少し会計のテクニカルな話となってしまいますが、ECを経営している会社の売上高は取扱高ではなく、取扱高からその商品の仕入対価を控除した金額となります。

これは、売上がネット計上される、というように言われます。

売上高がグロス計上されるかネット計上されるのかについては、「企業が本人として取引をしているか代理人として取引をしているか」によって会計基準上は異なる会計処理がなされることが規定されています。

ネット計上された収益額では、そのECサイトがどれくらいの取引量を扱っているのかがわからなくなってしまいます。

そこで、会計ルールに沿った収益額とは別に取扱高の開示も任意で行なっている企業が多いです。

粗利率とは違うの?

テイクレートとよく似たものとして、「粗利率」があります。

粗利率売上高から売上原価をマイナスした粗利(売上総利益)と売上高の割合のことを指します。

粗利率は何かを販売した際の利益そのものを指します。

つまり、粗利は広告費などを差し引く前のそのもの自体の販売による利益のことです。

この粗利から広告費などの販管費をマイナスすることで営業利益が計算されることになります。

ただし、ECサイトを運営している企業にとってはそもそも収益をネットで計上しているため、収益の金額が粗利であると捉えることも可能ではあります。

あくまでも会計基準のルールに則った場合に、売上総利益を売上高で除したものを粗利率と定義されるため、テイクレートと粗利率は異なってくるというものであり、ここを混同してしまうと両者が同じようなものに見えてしまいます。

[box05 title=”テイクレートと粗利率”]

✔︎粗利率は売上高のうち粗利の割合はどれくらいなのかを示すもの
✔︎テイクレートは取扱高のうち企業の取り分の割合がいくらなのかを示すもの

→テイクレートと粗利率は一定条件の下では一致するが、何を知りたいかの目的が異なることに留意することが大事!

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テイクレートを算出してみよう!

ここでは以上までの議論を踏まえて具体的な事例でテイクレートについて考えてみたいと思います。

ECサイトの代表的な会社である株式会社ZOZOの決算説明資料からデータを抜粋させていただきまして、テイクレートの計算をしてみたいと思います。

これを見ると2019年1Qからテイクレートが上昇していることがわかります。

会計処理の方法に変更がないことを前提に議論をすれば、これは顧客からの手数料収入などを上げたということが想定できます。

むろん、上記はざっくりとしたテイクレートの算出、決算書における売上高を分解せずに求めていますので正確な率よりは概要を把握するものではあります。

ちなみに粗利率がすごいことになっていますが、これは売上原価がほとんどないためです。ZOZOのような企業では厳密な意味での粗利率はあまり意味がなく、実質的な原価である販管費を控除した後の売上高と営業利益の割合である営業利益率が大事になってくるのでしょうね。

まとめ

本稿ではネット系企業、とりわけECサイトを運営している企業における重要な指標として、テイクレートについてご紹介させていただきました。

テイクレートはスポットでの率を眺めるよりもその推移を確かめて、企業になんらかの変化が起きていないかどうかを確認すると非常に有効です。

なお、テイクレートに関してより詳細に勉強したい人には以下の書籍をご紹介させていただきます。